前記事に沢山コメントを頂きまして有難うございました。
しばらくぶりに坂本教授からメッセージが届きましたのでご紹介します。
やはり少しお痩せになってますね。でも復活されて良かった〜!

MESSAGE FROM SKMT
昨年、咽頭癌に罹患していることが分かり、全ての仕事をキャンセルして治療に専念することにしましたので、たくさんの方を驚かせてしまいました。また、私がゲストディレクターだったSIAF(札幌国際芸術祭)をはじめ、予定していた仕事ができず、多くの関係者のみなさまにご迷惑をおかけしました。ここに再びお詫び申し上げます。友人や皆さんからの励ましが、こんなに心に響いたことはありませんでした。ありがとうございました。
実は自分が一番驚いたのです。
もう20年以上前から健康には大きな関心を抱いてきて、マクロビオティックの考え方は体に染み込んでいましたし、なるべく無農薬有機食品を摂るように心がけてきましたので健康には自信があり、喉に違和感を感じていても、万が一にもそれが癌だとは疑いもしなかったのです。
一年が過ぎ、おかげさまで今は体調もよくなり、仕事に復帰しようと思います。当分は家でできる作曲の仕事を優先するつもりで、復帰後第一弾には、日本映画の大御所である山田洋次監督の「母と暮せば」の音楽を担当することになっています。そして当分ライブは控えるつもりです。
陳腐に聞こえるかもしれませんが、病気は天=自然から与えられた気づきへの徴だと思い、感謝しています。また病気以前の生活に戻ってしまわないよう、与えられた日々を大事にしていきたいと思っております。
坂本龍一
2015年8月3日
- INFORMATION 1 -
サカモト復帰後第1弾の仕事は、山田洋次監督の最新映画「母と暮せば」の映画音楽!
今年12月12日(土)全国ロードショー、山田洋次監督の83作目となる最新作『母と暮せば』。この作品の音楽を、サカモトが担当することになりました。山田洋次監督とは今回が初タッグ。本作がサカモトにとって復帰後第一作となります。
サカモトからのコメント:
『寅さん』映画は、歳をとるほどに味わい深く感じられます。最近などはタイトルバックの江戸川が見えるだけで、涙目になってしまいます。もう帰ってくることのない昭和の日本への郷愁でしょうか。小津安二郎や成瀬巳喜男の映画にも共通のものを感じます。
その山田洋次監督から、次回作の音楽を頼まれました。しかも吉永小百合さんが同席しています。この二人に何かを頼まれて断れる日本人がいるでしょうか。そして内容は井上ひさしさんの『父と暮せば』へのオマージュとして呼応するように、長崎が舞台となっています。核のない世界を望んでいるぼくとしては、これはやるしかありません。
このような大作が、病気からの復帰後第一弾の仕事なのですから、ぼくは本当に幸せ者です。
坂本龍一
私の休暇はまだ続いております

〜はるすみ

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